英会話スクールに通う人の中でも、早くやめる人と長続きする人がいます。早くやめる人は、そもそもたいした目的もなく安易な気持ちで入学した人です。大手英会話スクールでは、1年契約で平均2か月半で通学しなくなるというデータもあります。
女性の中には、英会話スクールをエアロビクスやジャズダンス教室と同じように考えている人が多く、つい派手な宣伝につられて、はずみで入学してしまうことがありました。NOVA破たん後もまだそのような状態が進んでいるようです。
ところが、1ヵ月ほど通っているうちに決して簡単に覚えられるものではないことがわかり、「ああ、疲れた」と言ってやめてしまいます。たかが英会話といっても、やはり外国の語学ですから、生半可な気持ちでは覚えられません。
男性のビジネスマンの場合は、仕事が忙しいために仕事と学習をなかなか両立できないケースが多いようです。せっかくレッスンに出てきても、すでに仕事でエネルギーを使い果たした後ですから、レッスンに真剣に取り組むどころの話ではありません。結局、そのうちギブアップしてしまうのです。
同じ男性のビジネスマンでも、英会話に仕事と異なった別世界を見出す人は長続きします。
毎日、会社では本音と建前を使い分け、言葉使いにも気をつけなければなりません。ところが英会話スクールに行けば、英語を好き勝手に話せるし、本音でフランクな話ができるのです。もちろん英会話スクールはストレス解消の場でもありませんが、考え方によってはこんな利用法もできるのです。そして意外なことにこのような人の方が長続きしています。
語学をモノにするのにどうしても時間がかかります。しかし、最終的には個人の資質と努力が必要になるのではないでしょうか。
本気で英会話を覚える気があれば、自宅に帰って自宅学習したり、字幕なしでアメリカ映画やドラマ、ニュースなど英語に関係あるものを見聞きする時間をつくるべきです。自宅に帰って自宅学習するかどうかが上達の度合を大きく左右します。
ところが、英会話スクールに通っている人の中でも自宅できちんと自宅学習している人はせいぜい10%程度。残りの人はほとんど何もしていません。
講師に任せておけば何とかなるという考えの人は、やはり途中で挫折します。外国人の講師について習えば、自然に英語力がついていくと思っている人がまだまだ多いのではないでしょうか。
講師は確かに英語を母国語とする人で、正しい発音で話しますし、英語に関する知識も当たり前ですが豊富です。でも、そういった雰囲気の中(特にグループレッスン)にただ黙って浸っていれば英語が覚えられる、と思うのは大きな勘違いです。
英会話スクールに漠然と通いだけで英会話が上達するなら、日本人の英会話力は今すでにもっと上がっているはずです。
教室はあくまで生徒の英会話力をアップさせるためのお手伝いをする場だと考えてください。人任せで上達するような学問はこの世に存在しません。英会話の上達やTOEIC,TOEFLなどの点数アップは自分自身の努力で果たすしかないのです。