サーティーワン・アイスクリームは、全国で1000以上の店舗展開をしていて、さまざまな味のアイスクリームを食べさせてくれます。
英会話スクールもサーティーワンと同じようにかなりの数があり、専門学校的なものやサロン方式、ホテルのような雰囲気、英会話喫茶のようなラウンジ形式、カルチャーセンターっぽいもの、料理やダンスを交えながら教えるスクールなど、実にさまざまな形式の教室があります。しかし、英会話を勉強するのに教室をそれほど飾り立てる必要があるのでしょうか。
アイスクリームは栄養面から言えば肥満を促進する砂糖のかたまりにすぎません。しかし、食べるとおいしいまろやかな味が口に広がって、人々に栄養のなさや肥満を忘れさせる魔力を持っています。
さまざまな形式の英会話スクールを見ていると、アイスクリームを食べる時のように、雰囲気が持つ魔力で受講生を酔わせて、実際の会話力があまり進歩していないことを忘れさせているのではないかと思ってしまいます。
また、最近のテレビ番組を見ていると、たとえばまだ10代のアイドルグループの曲が人気だったりします。ところがパッと流行るのはいいですが、人気の下がり方が急激すぎるほどいなくなってしまいます。彼らの歌が芸術的に優れていると思っている人はまずいないでしょう。歌の内容よりはファッション性とかルックスで人気があるにすぎません。
英会話スクールにもそれとまったく同じ事がいえます。レッスン内容よりも雰囲気の良さで生徒が集まったり集まらなかったりで、日本のヒットチャートと同じようにパッと儲けた後はパッとジリ貧になったりします。
そして、ジリ貧になって生徒が集まらなくなると、すぐに同じ場所で形式を変えて営業している英会話スクールが結構あります。また倒産したスクールを買い取って同じ名前で営業しているところもあります。それはその名前が大変有名だからです。いかに外側を飾り立てて変化をつけても、テキストや講師陣を充実させているわけではありませんから、レッスンは相も変らぬくだらない内容です。
毎月のように次から次へと目新しい英会話スクールがオープンされることになるわけですが、新しい生徒獲得競争が生まれます。その結果、競争に負けてつぶれるスクールも出てきます。
もう英会話スクールは語学を教える場ではなく、単に流行りすたりの激しいファッションにしかすぎなくなってきている面もあります。一時期流行って、15年前ほどのすぐにダメになったカフェバー（今また流行ってきた）と似たようなものなのかもしれません。
現在は、Atlasのようなマンツーマン英会話スクールがオンライン英会話やカフェなどで受けられる形式がたくさん増えました。しかし、この5年でずいぶん減りました。15年前はサロン形式が全盛でやがて飽きられて、もっと減るでしょう。
