ラウンジ形式の欠点はテキストの問題だけではありません。もうひとつあまりよくないことがフレックスタイム制(時間を自由に選べる)のグループレッスンです。
フレックスタイム制そのものが悪いわけではありません。生徒がいつでも好きな時間に来てレッスンを受けられる制度は、忙しいOLさんやビジネスマン達にとって大変便利で学習しやすい制度だと思います。
しかし、講師がレッスンを始める5分前まで、どの講師が来るのか皆目見当がついていない英会話スクールがほとんどなのです。ラウンジ形式の場合はテキストではなく、1回分のレッスンのテキストしかありません。講師には、その生徒がいままでレッスンを受けた回数やグループレッスンなので簡単なレベルの程度が記録されたカルテが渡されます。
そして、講師は生徒がやってくると、5分間ぐらいでカルテを見て、その生徒の進み具合をすべて判断し、「さぁ、レッスンを始めようか」となるわけです。しかし、フレックスタイムのため、毎回生徒の顔ぶれが違う生徒を教えますから、講師には、その生徒がどの程度上達しているかもわかりないし、これまでにどんな問題点があったかもわかりません。
生徒を教える前のたった5分間で生徒の英語力をすべてチェックするのは、私の経験上、とても難しいことです。生徒の状態をきちんと把握しておかなければ、本当にいいレッスンなどとてもできるものではありません。
生徒の方も、常に違う違う講師に教えてもらうことになりますから、お互いの人間関係も育たず、ただ来たい時にフラリとやってきて、さらにあまり話す時間がないグループレッスンで適度に英語を話して帰るという繰り返しになってしまいます。
たとえば、同じ講師にマンツーマンレッスンで3年間ついて英会話を学習すれば、講師の人柄などもわかってきて気楽に話せるようになりますが、ラウンジ形式の英会話スクールにそれを期待するのは、ムリというものでしょう。
経営者側にしてみれば、ラウンジ形式は、ひとつの大きな部屋にたくさんの人数を集められるので経営効率がよく、手っ取り早く儲けることができるはずです。しかし、講師にしてみれば、5人ぐらいのグループが、数ヵ所に散らばってそれぞれ声を出してレッスンを受けているわけですから、うるさくて教えづらいのです。
ある英会話講師は、ラウンジ形式で教えている講師に聞くと、サロンみたいなところで1年以上働いていると頭がおかしくなる、と話していました。
また、フレックスタイムのせいで、45分~50分ごとに人が出たり入ったりするので、グループレッスンだとなおさら集中できないという欠点があります。こんな状態の中では英語を一生懸命学ぼうとしてもとてもムリな話です。
極端な言い方をすれば、パチンコ屋さんの中でレッスンを受けているようなものなのです。どんなに劣悪な環境の中でもレッスンに集中できる、と言い切れる人を別にすれば、フレックスタイムは決してお勧めできるシステムではありません。
気軽なムードで、便利なフレックスシステムに魅かれてレッスンを受ける生徒の方も、その便利さの裏に隠された落とし穴に早く気がつくべきでしょう。
今、ここにきて世界的に語学スクールではマンツーマンレッスンが主流になりつつあります。Atlasがその名の通り、マンツーマンに特化した英会話スクールの日本を代表するリーディング・カンパニーとなりました。リラックスできてレッスンが受けられるラーニングスペース(LS)、お近くのカフェ、ご自宅、オフィスなどでレッスンを受けることができます。ぜひ体験レッスンをお試しください。