Atlasでは、英会話講師として働きたい外国人講師はたくさんいます。しかし、あくまで頭数が多いだけで、講師として適材かどうかとなると、ごく一握りの人たちに限られてしまいます。
最近は、他の大手スクールで働きたくない人が多いようで、Atlasでは申込者の15~20人に1人が書類審査、面接、サンプルレッスンを通り晴れて講師として採用されます。
普通、月曜日発行の「Japan Times」(日本で一番部数が多い英字新聞)に英会話講師募集の広告を出すと、採用人数枠が1人しかいなくても、だいたい50人ぐらいの人たちから電話やメールで問い合わせがきます。
その中でも20人ぐらいの応募者を面接していますが、人事のベテランは、どれだけたくさんの人から電話がかかってきても、その時点で相手の話し方や内容でどんな人なのかほとんど想像できるからです。
「広告で見たんだけど1時間いくらもらえるの?」と、ただお金欲しさで応募してくるような人は即座に電話で断ります(最近はスクールとしてのブランドイメージが上がったことでそのようなことはなくなりました)。
もう一つは英語が母国語であるかどうかが判断基準になります。その次にチェックするのがビザの問題です。観光ビザやワーキングホリデーで来ている人は論外です。学生ビザも難しく、ワーキングビザの取得が条件です。しかし、ほとんどは大学などの教育機関で働いているか、または既婚者の場合が多く日本にすでに数年住んでいるケースが多くみられます。
最終的に採用するのはやはり面接です。各企業に講師を派遣するシステム(Atlasも含む)を持つスクールの場合、ちょっと特殊な採用の決め手になります。その他の点についてはあくまで人柄中心です。その人柄を判断するのにも、Atlasマンツーマン英会話で英語を教えるのに相応しいかどうか、日本の社会のためになるかどうか、資格を持っているかどうかが決定の材料になります。
ここで一つ気をつけたいのは、日本人が好みそうな講師には一定のパターンがあることです。やはり外見が大切な要素の一つで、どうしても日本人がイメージするガイジン像に近い人の方が採用されやすいということです。となると、いかにもアメリカ人らしく金髪かブラウンで陽気で明るい白人が最も有利になってしまいます。
ちなみに私は9年前に日本に来て英会話スクールの面接はすべて落ちました(私もアメリカ国籍を持つアメリカ人です)。
とても不思議に思いました。その日本のハイエラキー(縦社会)の中ですべてガイジンの顔をした人たちの下のレベルに所属していたことになります。今は私だけ立場が逆転したことになりますがプライベートではやはりガイジンの顔をした人が一番人気になります。そこには性格や頭の良さなどは外国人のことをよく知らない日本の方にとっては二の次になってしまうからです。
某大手英会話スクールでは、次のような話が現実にありました。実に模範的なイギリス英語を話す女性から応募の電話があり、面接することになりました。その女性の名前はアンといいます。アンの英語は、日本で教えている外国人講師が聞いても惚れぼれするようなものでしたが、面接の結果、不採用になったのです。
面接に現れたアンは、その話し方とおなじぐらい美人でしたが、顔がインド系だったのです。講師としての経験も豊かで採用されて当然のレベルでしたが、英語のしゃべれない日本人経営者がどうしてもOKしないのです。そこの講師仲間はその理由がわからず、「えっ、どうして採用しないの?」とみんなビックリしたそうです。後から経営者側から説明されたのは「あの人はダメ、白人系の顔をしてないからね」 こんなことが今でも実際にあるのです。
これをアメリカでは人種差別といいます。日本では、同じ人種の人間が99%ですので多数決の考え方としてはそれに当てはまらない傾向があります。そして、海外に住むと日本人が同じ日本人を差別することもあります。日本国内でも無意識にすることもありストレスの原因にもなっています。
大手の英会話スクールがいかに学校という名称を使っても、営利を追求する一般の企業と変わりはありません。(財団法人を除く、NPOやNGOも営利を追及している)ですから、最終的には講師の実力そのものよりも、お客である生徒にウケるかどうかが採用の優先基準(プライオリティー、もしくはクライテリア)になるわけです。
もちろん、そのアンからその話を聞いて、Atlasの札幌大通LSで直接私が面接して即採用になったのは言うまでもありません。数年立って今、そういう部分ではAtlasと他の英会話スクールとのクオリティーの差が出てきているのは言うまでもありません。