流れ流れてTOKYOへやってくる外国人はこのところの円高でその数は減り気味だが、日本で一旗揚げてやろうという外国人はまだまだ多い。特に、英語圏からやってきた人にとっては、日本は食いっぱぐれのないことで定評がある。
バックパックでひょいと成田空港に降り立った彼らがまずやるのは、知り合いからもらった「知り合いの知り合いのまた知り合い」を頼って、片っぱしから電話をかけまくることである。
こうした人に限って「日本へ行けば英会話講師の仕事ならいくらでもあるぜ」と言われて気軽にやってくるもの。そしていくつかの英会話スクールに電話をかけまくる。
大手の英会話スクールやかなり小さな規模の教室のかなりの部分をこうした「にわか」英会話講師が占めていることを知っておいて損はありません。たとえ、身なりはきちんとしていても、それまで英語を教えたことがない講師がゴマンといるからです。だから、アメリカ人講師がいようと、オーストラリア人講師だろうと、はたまた正統派のイギリス人講師などがいるという宣伝文句は一応疑って考えてみましょう。
こうした「インスタント講師」の中には教え方の上手なネイティブ(英語圏で生まれて育った英語が母国語の人)もいないことはないが、ほとんどが適当な教え方でお茶を濁している。英会話スクールを講師の観点で選ぶ時にまずやっておきたいのは、「無料体験レッスン」でその担当講師がどんな経歴を持っているのかと、つたない英語でも聞いてみるべきだ。
危ないのは、目的もなく世界中をうろつき回っているタイプ。こうしたネイティブは世界のあちこちで「その場しのぎ」の仕事をしながらさすらっているので、英語の教育方法はもちろん、きちんとした英会話を教えることはできない。
こうした「インチキ講師」は何となく会話を楽しむだけが目的の個人でやっているような小さな英会話教室で経営者がまったく英語が話せないことが多い。そのほとんどはアルバイトであり、経営者もそれを知っていて採用しているケースが少なくない。
ある日本の大手英字新聞社での話ですが、ふらりとやってきたアメリカ人を記者として採用したところ、実はアメリカのFBIから指名手配されていたお尋ね者だったことがありました。青い目の金髪なら大丈夫という先入観を捨てて考えることが大切なポイントです。