ある大手の英会話スクールが共同開発したDVD教材を研修やレッスンに関わって協力していたことがありましたが、正直言って期待を裏切る内容でした。
まず、そのDVDに出演している俳優(外国人)が素人並みのヘタな演技しかできず、見るに耐えられません。このことについては本物の俳優を使うとお金がかかり過ぎることもありますからいいとして、このDVDを決定的につまらなくしているのは一番基本になるシナリオです。
シナリオがつまらないのは何もシナリオライターの才能の問題ではありません。制作主体の企業側にむしろ責任があると思います。あれこれ考えすぎて、制作段階でシナリオにかなりのチェックを入れます。そして無難な内容にどんどん変更し、結果的につまらないDVDが出来上がるわけです。いかにおもしろくて効果的なDVDを作っても、内容が実験的でちょっと常識はずれだと企業はとうてい受け入れてくれません。
無難に作ってつまらなくなった教材よりも、内容がおもしろい教材の方が、どう考えてみても勉強の役に立つはずです。テキストやDVDがスピルバーグ監督のようにおもしろければ、生徒も興味を持ってみますから、自然に会話を覚えていきます。
ところが、このごく当たり前の論理が教材にはなかなか通用しないのです。現状では、教材だから常識的でなければならないという考え方が相変わらず支配し、いかに生徒に興味をひかせて勉強に役立てるかは二の次になっているのです。
|
Index |
NEXT:自分でつくろう、オリジナルテキスト教材 上達度チェックシート1 >>> |
Copyright Atlas Corp. All right reserved.