私が習得したいのは、あくまで会話。長文を見るだけでうんざりするけど、読解もやらなくてはいけないのでしょうか……。
Answer
ただでさえ、理解しがたい英文が、延々とズラーッと並んでいたら、とても読む気にはなれないですよね。わかります。
しかし、読解力というものは、英会話において絶対的に必要です。読んで理解できないことは、いくら聞いても理解できないからです。まして会話は流れるものです。長文のように戻って読み直すことができません。
英会話ができるようになるために、まずはやさしい文章から読解のトレーニングをしましょう。
1.英語の語順で読む練習をする
私たちは普段、日本語で物事を考え、人と会話をし、文章を読んだり書いたりしています。日本語の語順が頭に染みついているわけです。
例えば、「私は昨日、テレビでサッカーの試合を見たよ」と言う場合
僕は(主語)+昨日(時)+テレビで(手段)+サッカーの試合を(目的語)+見た(動詞)
という語順になります。
それが英語の語順だと、
I watched a soccer game on TV yesterday.
というように、(主語)+(動詞)+(目的語)+手段)+(時)となり、主語の後の順序がまったく逆になります。
私たちはよく、丁寧に日本語の語順に返り読みして文章を日本語から英語に翻訳(その逆も)しようとします。しかし、音声は戻らないのでリスニングに応用はできません。そのクセがついてしまうと英作文がスムーズにできなくなってしまいます。
まずは、短い文章(単語集やテキストの例文)を読み、語順通り理解できるよう訓練をしていきましょう。
「日本語の文章に訳そう」と思わないことです。例えば、先ほどのI watched a soccer game on TV yesterday. であれば、「私は」「見た」「サッカーの試合を」「テレビで」「昨日」と頭からそのまま解釈していくのです。関係詞や前置詞が出て来た時も、慌てて返り読みせず、先を予想しながら読むクセをつけましょう。
2.やさしい文章に慣れよう
例文などの短い文章で語順通りに読むことに慣れてきたら、次にやさしい文章を読むようにします。
やさしい文章というのは、エッセイや小説、日常会話集など、興味が持てるもので、基本的な語彙を中心に書かれているものです。問題集は全訳と丁寧な解説がきちんとついているものを選びましょう。
3.読み方の手順は、以下です。
1.自分のペースでゆっくり内容を吟味しながら精読する。
2.訳と解説を読んで、内容に相違がなかったか確認する。
3.解説を思い出し、内容をイメージしながら読む。
1の段階で始めに読むときは、とにかく前へ読み進めます。わからない単語や語法は、文脈からなんとなく意味を予測するだけにし、解説を読む段階で確認しましょう。これは語順通りに読むクセをつけるためでもあり、リスニングのトレーニングをするためでもあります。
2の段階では解説をじっくり読み、難しかったところや間違えたところを理解できたら、3の段階へ。もう1度はじめから、文章の意味をイメージしながら読みます。本当に理解できているか、確認しながら読みましょう。
4.読解のレベルアップ必勝法は、確認と楽しく続けるクセをつけること
さて、1~3の読み方の手順を覚えてきたら、今度は繰り返して、多くの英文を読んでいきましょう。この手順を踏むと、自分がつまずきやすい語彙や文法が分かります。その都度確認していけば、苦手だった箇所もいつの間にか身についていることが分かるでしょう。
それでも、時間が無く続けられない、という方には、1日に1つの文章を読むことをおすすめします。毎日繰り返せば、3ヵ月後にはつまずくところがほとんどなくなり、読解のスピードが格段に速くなります。
そうして徐々に英文のレベルを上げていけば大丈夫。
トレーニングに慣れてきたら、問題集から抜けて、ネイティブが読む英字新聞やアメリカなどの雑誌・海外小説などにもチャレンジしましょう。学習者向けに作られた問題集の英文とは違ってハードルが高く感じることでしょうが、実際のネイティブが使っている英語に触れることで、いずれ到達するべきレベルがどのようなものかが分かります。また、内容に面白味を見出せれば、やる気アップにもつながります。楽しく読解練習を続けていくためにも、英文は幅広く読んでいきましょう。