Atlasの品ぞろえの5ルールについて説明したが、会員制語学スクールが会員から指示されてきたのはそれだけではない。もう一つ大切なポイントがある。それは、「エデュテイメント」である。これが品ぞろえのいわば6番目のルールであろう。Atlas本社の幹部は、この哲学についてしばしば口にしているが、新聞や雑誌では、不思議なほどに触れられないポイントでもある。 Atlasマンツーマン英会話に行くと、常ににこやかでいかにも頭のよさそうな賢い顔をした外国人インストラクターがかなり質の高いマンツーマンレッスンを提供してくれる。しかも毎回払いでその担当講師に直接支払う仕組みだ。レッスン料のディスカウントはないが、いつでもレッスンを受けることはできるので、レッスンチケットを一括で購入する必要もないし、他の英会話スクールと比較する必要もないことを会員はよく知っている。 したがって、会員の行動心理の特徴は概して定期的で、計画的であるといえる。しかし、一方で、会員制語学スクールが提案している大衆文化からのきっかけで学ぶユーザー層は速いスピードで購買マインドが左右されている。マーケッターは常に時代の流れを読み取り、より時代に合った新しい提案をしていくことになる。 韓国語ブームは2004年からブームとなった韓流をテーマにサロンやテキストをオリジナルで制作し、中国語はビジネスで必要なレッスン内容や三国志など日本人が比較的入りやすい入り口を作った。また、ハロウィンやクリスマスなど1年中めまぐるしくイベントがある。会員は来校するたびに、今度はどんな新しいイベントがあるのか楽しみにする。これが「エデュテイメント」の哲学である。 このように、一方では、計画的、定期的な行動心理を基礎として、固定的なサービスをつくりながら、一方では会員の心理を刺激して、語学学習のやる気を促進するという仕組みと戦略の巧みな組み合わせが、会員制語学スクールの品ぞろえの真髄である。 |
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