カナダ人のジェームスはフリーのカメラマン。収入が安定しないので英会話スクールで働いてすでに10年、教え方も堂に入ったものです。奥さんが日本人なので、教えるツボをしっかり押さえているので生徒からも評判がいいです。本人は日本語がベラベラですが、生徒の前ではもちろんまったく日本語ができないということになっています。
4月から今年も元気な生徒たちを担当することになりました。生徒といっても、マンツーマンレッスンなので新入社員のOLさんもいれば、某大企業の課長さん(40代後半)もいる。北海道大学の大学生も何人か受け持っています。
いつものことで、レッスンが始まってからひと月もすると「Drop out」が出始めます。今回はオジサン組から一人くらいでそうです。まず、時間通りにレッスンを取らなくなり、そのうち「仕事が忙しい」などという怪しげな理由で休み始めるのがお決まりのコース。
「レッスンにちゃんと出席しないと、次からが大変で前にやったことをもう一度繰り返してやらなくてはいけません。本人にしてみれば、同じことを繰り返すのでつまらないし、いつも間にかいやになってしまうんでしょうね。
でも、こういう人は短期で、レッスンを受ければすぐに英語をしゃべれるようになれると思っていて、休んでも次のステップへ進みたがります。ちゃんと基礎を勉強しなくちゃいけないのに、こういう人は上手くならない」とジェームスは言っています。
また、英語が流暢なTOEIC900点以上を持つ日本人カウンセラーとの2人3脚も大事なポイントではないでしょうか。
「ずる休み」のことで、いつまでも忘れられない事件がありました。いつもは物静かで、滅多に感情を外に出したことがないデクスターが顔を真っ赤にして怒ったことがある。
41歳の男性サラリーマンが生徒で19:00のレッスンに出てきました。しかし彼は、あきらかに飲んでいてご機嫌な状態でした。
「本当に会話が上手になりたかったら、お酒なんか我慢してレッスンを受けるべきです。イージーな気持ちでは絶対に上達しませんよ」これはデクスターの個人的な経験からの話です。
オーストラリア人のボブは「女性の方がまじめ」という。オジサンはなんだかんだいってはさぼりがちという印象を持っている。
二人の意見が一致したのは、会社の経費で英会話のレッスンに来ている生徒は滅多に休まないということです。会社によりますが、きちんと通っているかをチェックされる可能性があるからではないかとボブは言います。
まじめに出席するだけではなく、真剣なのは海外派遣が決まっている人達です。これはもう必死としかいいようがないくらいまなざしにも迫力があります。海外に派遣される本人に加えて、その奥さん方も英会話学習に熱が入ります。旦那さんより上達がはやい人もいるくらいです。その質問の内容も具体的で生活や仕事に直結したものがほとんどだそうです。
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